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医療法人慈誠会
介護老人保健施設「ヨッシーランド」
看護師
佐々木 和加子さん
ささき わかこ
南相馬市に再開した
老健施設の看護師に

 南相馬市原町区出身。双葉准看護学院を卒業後、内科の個人病院勤務を経て、訪問看護事業所や老人保健施設などに勤務。約30年間、医療現場で准看護師として働き、子育てがひと段落した5年ほど前に東北福祉看護学校(通信制)で学び看護師の国家資格を取得した。

地元の人を地元で支える拠点で働く

 私が看護師として働いている介護老人保健施設『ヨッシーランド』は、東日本大震災で被災し休止していた施設で、昨年12月に再オープンしました。地域の強い要望を受けて100名が入所できる大規模な施設になりましたが、残念ながらスタッフ不足で現在は40名ほどの受け入れに留まっています。併設のグループホームも、ようやくユニットの半分が稼動している状態だそうです。

 今回、ここに転職を決めたのは「地元の人を地元で支えたい」という法人の考えに共感したからです。これまで私は、宮城県丸森町や相馬市で働いていたのですが、『ヨッシーランド』は自宅から5分ほどの場所にあります。震災後、一気に高齢化が進んだ南相馬市で「安心して年を取ることができる環境」を整えるために、自分の看護経験を生かせればいいと思いました。

 再開にあたって集まってきたスタッフは、みんな「この施設を盛り上げていこう」という熱意にあふれていています。私も介護職員などの他職種と連携し、看護職としてよりよいケアを提供できるようがんばっているところです。

心の支えとなり、頼りにされる看護師に

 介護老人保健施設には、家庭への復帰を目指す病院と自宅の中間的な役割があります。利用者さんは、皆さん本当に口を揃えて「家に帰りたい」と言うのですが、人材不足が続いて市内で在宅の充分な医療サービスが受けられない状況です。当法人は、今後は訪問看護への展開も視野に入れているということだったので、面接の際には「いずれは訪問看護に行きたい」と伝えました。

 お年寄りと接することが好きで、30歳代の後半からしばらくは訪問看護師をしていました。病気になると、誰もが人生観や価値観が大きく変わります。患者さんが辛い時、心の支えになり、頼りにしてもらえる存在になりたいと思いながら、ずっと看護の仕事を続けてきました。

 在宅看護では、ターミナルケア(終末期ケア)から看取りの場面まであります。患者さんやご家族と医療関係者が信頼関係を築けると、自宅での最期はとても安らかです。しっかりと看護師が患者さんと家族を支えることで、人生の変化を受け入れていく場面も数多くあります。今、老健施設で働く経験は「家族の介護負担を知る貴重な機会でもある」と前向きに受け止めていこうと思っています。

 

お話を伺って

 夜勤明けの取材に疲れた様子も見せず穏やかな口調と笑顔で応えてくれた佐々木さん。「笑顔でいると、患者さんは心を開いてくれるし、自分自身も明るく気持ちを保つことができるんです」とにっこり。長年連れ添った夫からも「看護師は天職だよね」と言われているそうです。 

 看護師としてやりがいを感じるのは、献身的にケアをした患者さんから「ありがとう」という言葉をかけられた時。「その瞬間のうれしさを、これから看護師になる若い人にもたくさん感じてもらいたいですね」と話していました。(ライター 齋藤真弓)

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