再就職訓練事業を活用し30代から目指す看護職
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会津若松医師会附属 会津准看護高等専修学校 2年
永田 幸恵さん
丸山 瑠依さん
Profile
会津准看護高等専修学校は「離職者等再就職訓練事業」※の養成施設。2年課程で、医師や看護師等からの指示を受けて業務を行う「准看護師」の資格を取得することができる。転職を機にハローワークを訪れ事業を知って、30代から准看護師を目指した二人の女性から話を聞いた。(写真左が永田幸恵さん、右が丸山瑠依さん)
※ハローワークに求職申込をしており、概ね55歳未満の方などが対象。詳しくは以下に記載
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/32021e/deve-013.html
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「金銭面の心配がない」ことが背中を押した
ーーー進学したきっかけを教えてください。
(永田)もとから医療福祉分野に関心があり、大学で福祉を学びました。卒業後は病院などで事務職をしてきたのですが、これから先も長く働くには、看護師などの資格を取りたいと思うようになりました。親戚に社会人を経験をしてから看護師になった人がいて「そういう選択肢もあるんだよな」と改めて気づいたのも一つのきっかけです。「離職者等再就職訓練事業」を利用すると失業保険の給付を受けながら通学できると知り、「ぜひ私も挑戦したい」と応募しました。
(丸山)私は子どもを二人育てながら事務職で働いていました。若い頃は看護職になることは全く思いつきませんでしたが子どもを育てていると病院に行く機会が多く、いつもやさしく対応してくれる小児科の看護師さんの姿を見て憧れるようになりました。ハローワークで「離職者等再就職訓練事業」の存在を知って、私もがんばってみようと思いました。金銭面での心配がないということが大きな後押しになりました。
ーーー実際に学校に入ってみて、どんな感想を持ちましたか?
(永田)思ったより科目数が多くて驚きました。看護だけでなく、英語や国語、音楽もあって、一般教養も身につけられるのが面白いです。各科目のテストが何度もあり、必死で勉強するのできちんと身についていく実感があります。2年生は6人いて、全員が「准看護師になる」という目標に向かってがんばっている戦友のようです。2年の春にあった修学旅行も楽しい思い出です。
(丸山)ベッドメイキングや血圧測定などの実技は、試験前になるとクラスメイトで集まり何度も練習しました。繰り返していると最後は身体が自然に動くようになっていくのがうれしくて、「もっといろんな技術を身につけたい」と前向きになりました。できることが自信につながって、どんどんやる気が出てくるということを、この学校に来て初めて知りました。
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年齢であきらめずに、ぜひ挑戦してほしい
ーーーこれから、どんな看護職になりたいと思っていますか?
(永田)今後、しっかりと知識と技術を身に着けていった先の最終目標ですが、困っている患者さんにさりげなく声をかけられる、心に余裕のある看護職になりたいです。実習先でお世話になった看護師さんたちは、常に患者さんを中心に考えていて、目標となる人ばかりでした。少しでも近づけるように日々がんばろうと思っています。
(丸山)看護の業務は幅広く、知識と技術を身につけることの大変さを毎日実感しています。だからこそ私は「患者さんに寄り添える看護職」になりたいと思っています。ありきたりかもしれませんが、そこに行き着くためには、相当な努力が必要だということが実習を通して分かったので、これから先もずっと忘れずに目標としていきたいです。
ーーー看護師を目指す方にメッセージをお願いします。
(永田)この学校に入学したことで、さまざまな世代のクラスメイトをはじめ、多くの人と出会い、自分の糧になる貴重な体験をしました。私は今37歳なのですが、看護職を目指すのに遅いということはないと思います。「入学して本当によかったな」というのが、2年になった今の私の感想です。年齢のことで迷っている人には、「ぜひ挑戦してほしい」と伝えたいです。
(丸山)今私は35歳で、出産が早かったので子どもは中学生です。これまでは子ども優先でしたが、いつか思い切り仕事をして自分の力を試してみたいと思っています。あと数年で子育てが終わるので夜勤もできるようになります。働き方を選び、経験を重ねて成長できるのも看護職の魅力です。私は入学後に貴重な経験ができ新しい世界が開けました。ぜひ多くの人におすすめします。
※看護師と准看護師は異なる資格であり、免許の種類や、仕事を実施する上で指示の必要性の有無に違いがあります。詳しくは”看護職への道”をご覧ください。https://www.f-kango.net/load/
取材者の感想
一度社会に出た人が「看護職になりたい」と思った時に、最も気になるのが「お金」と「年齢の不安」なのかもしれません。この二点をクリアすれば、挑戦できる人がいることを今回の取材で改めて実感しました。准看護師の資格を取得後に経験を積んで学び、看護師の国家試験を受ける人も大勢います。「入学を決めたあの時の判断に、間違いはなかった」と話す二人の学生さんの言葉には、とても説得力がありました。
ライター 齋藤真弓