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INTERVIEW

看護師インタビュー

一人ひとりの人生に向き合い、共に考える存在として

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金山町(県派遣) 保健技師

佐藤 陽菜さん

Haruna Sato

Profile

福島県保健師として4年目を迎える。昨年度までは県保健師として、生活習慣病予防やがん検診の推進、難病患者支援など、地域保健に関する幅広い業務を担当。地域の特性や住民ニーズを踏まえた健康づくり施策の企画・運営に携わってきた。
現在は県からの派遣職員として、金山町民の健康増進を目的とした各種施策を推進。健康増進計画の策定や、学校と連携したフッ化物洗口事業の展開など、地域に根ざした実践的な取り組みに力を注いでいる。

  • 福島県から金山町に派遣され、町の保健師として勤務する佐藤陽菜さん。母子保健や成人保健、健康診査などを通じて、町民の健康づくりを幅広く支えています。

    地域の誰もが顔見知りという小さな町で、どのような想いをもって日々向き合っているのかお話を伺いました。

  • 住民と共に考え、寄り添う仕事

    現在、佐藤さんは金山町の保健福祉課に所属し、乳幼児健診や成人健診をはじめ、認知症予防、生活習慣病予防などの教室企画・運営、健康相談、学校保健など、幅広い分野で町民の健康づくりに携わっています。「保健師は生活の中に深く入り込む仕事」と語る佐藤さん。健診や相談の“場”づくりに加え、地域の一人ひとりが抱える事情や想いに寄り添うことを大切にしており、小さな気づきや対話の積み重ねが、より良い支援や信頼関係の構築につながると感じているそうです。

    また、学校や病院、地域住民との連携も日常の一部です。小規模自治体だからこそ、住民同士のつながりや、他職種との距離感が近く、支援の網目が細かく張れるメリットも感じているといいます。
    虐待予防や思春期講座、生活習慣病予防、介護予防など、業務内容は多岐にわたりますが、「すぐに答えを出すのではなく、答えを一緒に探していく姿勢」が大切だといいます。「“この人となら話せる”と思ってもらえる保健師でありたい」と、そのまなざしはまっすぐです。

  • 小さな“気づき”が支援につながる

    金山町では、住民の声が保健師のもとに届きやすい環境があります。例えば「最近あの人、元気がないみたい」といった地域からのささやかな情報が、支援につながるきっかけになることも少なくありません。佐藤さんは、そうした小さな“気づき”をキャッチし、必要に応じて関係機関へつなぐハブ的な役割も果たしています。

    「すぐに“支援”にはならなくても、“聞いてくれる人がいる”と思ってもらえることが、結果的にその人の力になる。そんな存在でありたいと思います」。行政の縦割りを超え、学校や医療機関と協働しながら、誰ひとり取り残さない体制を少しずつ整えていく。その姿勢が、地域への信頼にもつながっています。

  • 「暮らしてよかった」と思える地域を保健師の立場から支える

    今後は、町で得た学びを県全体の健康施策に活かし、地域に寄り添いながらも広い視点で支援できる保健師を目指したい。
    町の保健師や関係機関と協働し、地域の強みを活かした健康づくりを進めていくことで、「誰もが安心して暮らせる福島」を実現したい。

    「“この町で暮らしていてよかった”と思ってもらえるように、自分にできることを少しずつ積み重ねていきたい」。その姿勢は、これからの地域を支える大きな力になっていきそうです。

    インタビュー動画はこちらから